皆さん、こんにちは。岡本みつなりです。
「Suica」や「PASMO」などのICカードを利用する障害者の方を対象に、窓口精算無しで割引適用される新サービスが、2022年度後半にスタートすることが決定しました。
これは、私が2年前から障害者団体の方々と共に国交省に対して強く要請してきたことで、ついに実現します!
現在は、障害のある方やその介助者が「Suica」や「PASMO」などのICカードで駅構内に入場した場合は、乗換や降車の際に、駅員さんのいる改札や窓口にて障害者手帳を提示しないと、運賃の割引分が精算されません。
しかしながら、この方式は、2つの点において障害者の方の大きな負担となっています。
第一に、率直にいって、とても不便。
乗り換えや降車のたびに、駅員さんを改札で呼び出すのは、かなりの手間です。
更には、最近無人改札も増えてきたため、その場合は有人の改札へわざわざ遠回りしなければなりません。目的地までの移動はできるだけスムーズにしたい、と誰しもが思いますが、それが叶わないのです。
そして第二が、障害者手帳を駅員さんに毎回見せなければならないということ。
障害者手帳には、障害のきっかけとなった病名などが記載されており、いわばプライバシーの塊。それを駅利用のたびに、第三者である駅員さんに提示しないといけないのは、大変なストレスです。
今後、障害者の方がICカードを利用し自動改札で精算ができるようになると、駅での乗り降りが快適になるのに加え、利用者のプライバシーも守られることになるのです。公共サービスは、障害がある・ないに拘らず、同じサービスが受けられるべきです。今回の決定をうけて、「ついにやった!」との思いを強くしています。
冒頭にも書きましたが、今回の件に関して私が国交省に要望を開始したのは2年前のことでした。始まりは2019年10月に、Wheelog! の織田友里子さんから、障害のある方が交通機関を利用する際のご不便を伺ったことです。更に聞き取りを進めると、地元である東京都北区の障害をお持ちの皆さんからも、同様の声が多く寄せられました。
その後、11月1日に複数の障害者団体の皆さんと一緒に、赤羽国交大臣に直接要望書を提出しました。さらに、同月27日の衆議院国土交通委員会で、私は交通系ICカードでの障害者割引適用を具体的に政府に求めました。更には、JRや私鉄の幹部の皆さんとの懇談の折には、常にこのことを要望し、対応を求めてきました。
実は、このICカードによる障害者割引適用は、関西エリアなどでは既にサービスが開始していました。しかし関東では、関わる事業者の数が多く、システム改修にかかるコストがかさむため、なかなか実現しませんでした。しかし今回、国土交通省の皆さんや事業者の方々のご尽力により、サービス開始が決定したのです。
今回、大きな一歩を踏み出したわけですが、実際のサービス開始は2022年度後半の予定。
これを確実に、そしてできるだけ前倒しして実現してほしいと、昨日国交省を訪問し、赤羽国交大臣に改めて要請してまいりました。
大臣からは、「障害者の方が利用しやすい設備は、健常者にも便利な設備となる。したがって、バリアフリー政策は福祉政策ではなく、公共政策であるべきだ。」との発言がありました。まさにその通りです。
誰一人取り残すことなく、すべての方が安心して生活できる社会の実現に、引き続き取りくんでまいります!