新型コロナウイルスワクチン:接種券の反省点とマイナンバーカードへの期待

みなさん、こんにちは。岡本みつなりです。

先週、自衛隊の大規模接種会場で、予約数にかなりの空きがあるということが大きく報道されました。そのため64歳以下の方も接種可能とし、現時点では予約がいっぱいになりました。

空きがあるという報道を聞き、「受けたいのに接種券が届いていないため受けられない」と、もどかしい思いをされた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 私もその1人です。せっかく準備した会場、十分なワクチン、ワクチンの打ち手、運営体制・・・、すべてが無駄にならないように、より効率よく接種を進めていくにはどうすればよかったのか。今後のために検証が必要です。私は、一つの鍵は「マイナンバー」の活用だったと考えています。

多くの自治体は、接種券の送付に大変な苦労をされました。もしこれを政府が推進している「マイナンバー(個人番号)」を活用することで省略できていれば、よりスピーディーに、多くの方に接種を実施できたのではないでしょうか。私の知る限り、世界中で接種券を送付しているのは日本だけです。例えば米国では、全ての国民に付与されている社会保障番号(ソーシャル・セキュリティ・ナンバー)を活用して、予約・接種を実施しています。日本でも、マイナンバーを活用して予約接種ができていたら、大規模接種会場の予約ががら空き、というもったいない事態も起きなかったかもしれません。

公明党はこれまでに、マイナンバーカード(マイナンバーが記載された顔写真付きのカード)の普及促進に取り組み、ワンストップで幅広い行政サービスが受けられるようになることを目指してきました。マイナンバーカードは、自分のマイナンバーを証明するもので、すでにマイナンバーカードに健康保険証の情報を取り込むことができるようになっています。今後は、運転免許証もマイナンバーカードで代用する方向で議論が進んでいます。将来、もしまた今回のようなパンデミックが発生した場合には、マイナンバーとマイナンバーカードをもっと活用していけるようにしていきたいと考えています。例えば、マイナンバーに個人の(受け取り専用でも大丈夫です)銀行口座をひも付けして、一律10万円の給付金などする際にこの口座に即時送金したり、ワクチン接種予約がマイナンバーだけでできるようにしいと考えています。この場合、接種券を配らなくても、予約した日にマイナンバーカードを持参すればそれで本人確認や接種記録が可能となります。自治体にとっての煩雑な事務作業を効率化でき、接種予約したいのに接種券がないためにできない、といった利用者である国民の皆さんの不便解消につながります。

マイナンバーだけで多くのオペレーションが完了するような仕組み、つまり「行政のデジタル化」を広げていくには、カード取得者が増えることが重要な要素です。もしまだカードをお持ちでない方は、この機会にぜひ取得をご検討ください。また、デジタル化が進むと、情報格差(デジタルディバイド)により、「取り残される」ことを不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。一昨年の内閣委員会で私はこの点について政府に対してしっかり相談体制を構築するよう求め、幅広く対策を講じていく方針を確認しています。

コロナ禍で、多くの「損失」がありましたが、同時に「学び」も多かった。今回の反省点を生かして、より安心して住みやすい社会の構築に取り組んでまいります。

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この記事を書いた人

岡本みつなりのアバター 岡本みつなり 衆議院議員

米ケロッグ経営大学院修了。ゴールドマン・サックスを経て、公明党衆議院議員(4期目、東京12区選出)。衆議院経済産業委員長。元外務大臣政務官。元財務副大臣。 東京29区(荒川区全域・足立区西部)総支部長。矢沢永吉さんの大ファン。

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