東京オリンピックも佳境を迎え、活躍めざましい日本選手のニュースに胸躍る日々が続いています。一方、この数日間で台風が立て続けに発生しており、閉会式が予定されている8月8日には、台風10号が関東に接近する見込みと予報されています。例年のことですが、台風などによる大雨は、全国各地に深刻な被害をもたらすことが多く、都心を流れる荒川でも、水害の危険性は年々高まっています。
これまで国はハード面での水害対策として、大規模被害を防ぐための堤防強化や調節池の建設などに取り組んできました。一方で、住民の皆さんが予め被災想定などを基に災害に備える、ソフト面での対策も重要です。
先日、荒川氾濫時の3Dハザードマップが公開されました(6月28日)。この3Dマップは、従来のハザードマップから進化し、浸水した時の街並みが立体的に表現されています。ぜひ皆さんもご覧いただければと願っています。
ハザードマップが3Dで公開されたのは、なんと荒川が全国初。
荒川下流河川事務所の皆さんの、「何としても流域の皆さんを水害から守りたい」との気概を感じます。本当にありがたいです。住み慣れた地域であっても、どのエリアが高台となっているか、あの建物は何階まで浸水するおそれがあるか、と頭でイメージするのは、そう簡単なことではありません。
しかし、この3Dマップを見ると、我が家は何階まで浸水するか、また最寄りの駅前がどのように浸水するか、などが一目瞭然。いざ避難する場合、浸水を免れる近くの高台はどこかといったことも、ひと目で分かります。ぜひご家族で3Dマップをご覧いただき、水害発生時のご自宅の状況や避難経路などをイメージしていただき、これからの台風シーズンに備えていただければ幸いです。
水害から命を守るために最も重要なのは、3Dマップが示す被害想定が現実のものとならないように、事前防災に全力を注ぐことです。そのためにも、既存の荒川第一調節池を始めとする治水設備の最大有効活用と合わせて、現在工事中の第二・第三調節池の一刻も早い完成が不可欠です。
第二・第三調節池が完成すれば、荒川増水時の水位を約80㎝下げる事ができます。しかし完成は令和12年度。早期完成を目指すと共に、段階的な運用の実現に向け、引き続き全力を注いでまいります。
*インターネットで「荒川」「3D」と検索いただければ、どなたでも閲覧できます。3Dマップのため、データ量が多くパソコンのスピードが遅くなるため、ご注意ください。
荒川3D洪水浸水想定区域図(下流域)